第47回:名は体を表す
掲載日:2015年6月3日
執筆者:株式会社スクウェイブ
シニアカウンセラー&
マーケティング エグゼクティブ
相澤 香
スクウェイブは営業開始より12年、SLR参加企業も90社を超えて、この小さなベンチャー企業にしてはかなりの知名度を上げてきたと思う。とは言え、東証1部上場企業だけでも1700社超を数える中での90社、いかにもまだまだの感がある。
という訳で、我々の存在とサービスを紹介するべく様々なマーケティング活動を行っている。そのためにはまずコンタクト先を広く知らなくてはならず、新聞発表される人事情報のチェックが日々欠かせない。
スクウェイブの名前が知られていないのと同様に、我々も新聞の人事情報を見て初めてそのお名前を知る企業は多い。ズバリ業態そのものが社名、というわかりやすいタイプもあれば、より抽象的に、価値観や世界観を社名に織り込んでいるタイプもある。「大正○○」「昭和△△」という社名には歴史の重みを感じるし、アルファベットやカタカナの社名は新興の勢いやM&Aのダイナミズムを伝えてくれる。中には当世流行の「キラキラネーム」と見まごうばかりの社名さえあるが、そのどれもが、創業の思いや志を何とか一言で表すべく工夫されたものであるに違いない。
人事情報に付帯して、組織体制の変更も同時にチェックしている。これもまた、新しく設置される部署の名称にはその期するところが端的に表れるもので、業界のバズワード的なものがうかがい知れるのが面白い。
情報システム関連の組織では、少し前まで「グローバル」「戦略」あるいは「グローバル戦略」というワードを冠した部署名の増加が目立っていたが、直近では「統合」「統括」が増えつつあるように感じる。
日本経済が“6重苦”と言われた停滞期に、海外に活路を求めて日本企業の現地化・グローバル化は一気に進んだ。ITにもグローバル対応が急速に求められるようになったのは当然だったし、軌を一にしてIT部門は単なるコストセンターから企業の変革を担う戦略部署への転換を迫られるようにもなった。
スピード優先でここまでやってきて、ようやく全体のバランスやガバナンスを見直す余裕が出てきたことを示すのが「統合」「統括」なのだろうか。経済が息を吹き返し株価や売上が回復している今、業務や資産の重複を糺し引き締めることに目を向ける動きがあるとすれば、日本企業もずいぶん鍛えられたと言えそうである。
翻って弊社のSLRである。
SLRシリーズの中で現在主力のサービスは「SLR-Basic 2.0」「SLR-View」「SLR-View novel version」の3つであるが、その命名の次第は次のようなものだ。
SLR-Basic 2.0
創業時からのメインサービス「SLR-Basic」を大幅にリニューアルしたものであり“2.0”にその新規性を込めた。
SLR-View
ITに係る投資とコストを俯瞰する"View"を提供しようという志を表現した。
SLR-View novel version
SLRに“攻めのIT”の視点を取り入れ、新たな(=novel)切り口が加わったことをアピールした。
“体を表す”べく最高の名前をつけたい思いは皆同じ。そして冠した“名”にふさわしい実態であるかどうか、常に自らを省みては正す姿勢もまた普遍的に求められ続けることだろう。
さて、貴社のIT組織の正式名称は何でしょうか?