第59回:役に立たない『経験』はない!
掲載日: 2020年2月5日
執筆者: 株式会社スクウェイブ
エグゼクティブ・ディレクター
渡部 三千雄
皆さんは日々様々な業務に従事され、多忙な毎日を過ごされている方が多いと思います。そのような毎日の中で考えたことや五感で感じることのすべては経験として確かに蓄積されており、自分自身を形成していると確信しています。
ここで小職の拙い経験話を紹介します。
当時、間接材と言われる材料は、複数のスタッフ部門にてそれぞれの手順で調達されていましたが、それらをBPRしながら共通化する必要がありました。そこで、大いに役に立ったのが、入社当時担当していた部署で培ったITの業務知識と人脈でした。PJ推進にあたっては、スタッフ部門のメンバーとの信頼関係は構築済みであり、各部門の専門用語にも精通していたので円滑なコミュニケーションを取ることができました。その結果、担当部署は合わせて10部門弱あったにもかかわらず、プロジェクトを短期間(数か月)で予定通りカットオーバすることが出来ました。
前述の経験は同じ領域内での経験が役に立った例ですが、違う領域での経験が他で役立った経験を紹介します。
私は高校卒業と同時に田舎から東京へ出て、メーカーに就職しました。就職先では、現場で製品組み立て作業経験後、その組立業務をサポートする生産管理の仕事に従事しましたが、1年後、社内業務をITで改善したいという想いで大学進学を目指し会社を辞めました。
卒業後はコンピュータメーカーに就職することになり、社内IT部門の配属となりました。そこで高校を卒業して入社したメーカーでの経験が、システム企画フェーズで現状調査する時など役立ち、ヒアリングなどで対象部門と、円滑にコミュニケーションをとることが出来ました。
現在、小職は、スクウェイブでビジネスカウンセリングやIT可視化ベンチマークなどに携わっていますが、そこでも前職での社内IT担当経験が役立っていることは言うまでもありません。
ビジネスカウンセリング(http://www.k2wave.com/counseling/vision.html)
IT可視化ベンチマーク「SLR@」(http://www.k2wave.com/slr/message.html)
前職では、数年ごとに部署が変わっていたので、一通りの社内IT業務を経験しました。当時は、どうして頻繁に担当部署が変わるか、イヤで仕方なかったのですが、今となっては、それが逆に功を奏しています。特にビジネスカウンセリングにあたっては、クライアントの多種多様な背景や悩みや要望を理解できるので、よりクライアントに役立つアドバイスができていると自負しております。
また、IT可視化ベンチマーク「SLR@」についても、スクウェイブの過去10年以上の経験の上に成り立っているサービスで、経験の塊と言っても過言ではありません。ベンチマークは他社との比較はもちろん可能ですが、定期的にベンチマークを継続することで自社の成長を可視化できる点も魅力です。2020年には、クライアント数は108社になり、多くの大企業の方々に利用頂いています。私も前職の経験などを生かしてその一翼を担えることを非常に光栄に思っています。
とりわけ何かに役立てようとした訳ではなくたまたま蓄えた知識や、先々の役に立つことはないと思っていた経験やその最中に築かれた人脈が、ある日予期せぬところで自分の助けになることがあり、驚いたという方は少なくないと思います。それは確かに培われたご自身の引出しなのです。特に私のように異動経験の多い方は、その分、「経験」という引出しを人よりも豊富に持っており、日常の諸問題の総合的解決の一助になっていると確信しています。
日々の経験は自分だけの特別なものです。日常のかけがえのない時間を大切に過ごされてください。弊社のサービスもきっとあなたの引出しの一つとしてお役に立てることでしょう。あなたの毎日が引出しの多い豊かな時間となることを願っています。