第61回:ウクライナに栄光あれ!情報収集は慎重に。
掲載日:2022年4月28日
執筆者:株式会社スクウェイブ
社長室
成沢 恭子
ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースが連日報道されている。
現地の映像を見ると、今この時代に起こっている事とは到底信じられない。
ウクライナの一般市民の悲惨な現状に気持ちが暗くなる。
プーチン大統領は一体何を考えているのだろう。
どんな理由があろうと、ミサイルや戦車で市街地を破壊することは、許されることではない。
少し前に妙に印象に残るテレビニュースをNHKで見た。
どのような内容だったかというと、ウクライナから来日した避難者が話す音声付きの映像で、「今は大変だけど平和になるように祈っている」と日本語字幕を付けていたものである。
なぜ印象に残ったかというと、もし自分が同じ立場だったとしたら、とてもじゃないがこんな風には考えられないからである。
もちろん平和は望むだろうが、ロシアのせいで慣れ親しんだ自分の国にいられなくなったのである。この先もどうなるかわからない。
私なら平和云々より先に「ロシアが憎い。プーチンは悪魔だ!」くらいは言ってしまいそうなのに、この方はただ「平和を祈っている」とだけ。
なんて心の広い人なのだろう。キリスト教の教えの賜物だろうか。
感心すると同時に、少し違和感を覚えた。
その違和感は数日後に発見したネットのニュースにより解消されることになる。
NHKは誤った字幕を付けていたというのだ。
ウクライナからの避難者は「今は大変だけど平和になるように祈っている」ではなく、「私たちの勝利を願います。勝利を。ウクライナに栄光あれ」と言っていたそうだ。
※NHKはインタビュー放送後に各方面から指摘を受け、見逃し配信で修正したらしい。
修正後の内容であれば、個人的にはものすごく共感できる。
やっぱりなあ、と思うと同時に、ニュースで見聞きしたことを鵜呑みにすることは危ういと改めて思った。
NHKの当初の字幕は「意訳」とは言えない。NHK自身の思いを、インタビューされた方の発言として拡散している。これは本当に怖いことだ。
ロシアの一般市民の中には、国営放送のニュースだけを見て政府を100%支持する人々がいるという。その人達にとってはロシアこそが正義の味方で、ウクライナやNATOが悪者なのだ。
テレビや新聞、インターネット等のメディアで得る情報は、良くも悪くも制作者の主義主張が多少なりとも入っていることを常に認識すべきである。中立的な立場で、事実だけを報道するメディアがあればどんなに良いか、いつも思っているが、制作者にも心がある以上、無理な話だろう。少しオーバーだが、事実は常に歪曲されて報道されていると思っていた方が良いのかもしれない。本当に真実を知りたいなら、自分が現地に行って確かめるしかないのだろうが、これも現実的には不可能である。情報収集はやはり既存のメディアに頼ることになるが、常にニュートラルな姿勢で物事を俯瞰できるようになりたいものである。
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